生水飲んで長生きしよう vol.2
今回は、「適量の硬度成分を含んだ水であること」と題して、記事を掲載します。
日本人の健康に良い水として岡山大学名誉教授であった小林純氏は総硬度量120~150mg/Lの水の常用が良いと言っている。硬度とは水中のカルシウム,マグネシウムの総量を炭酸塩のmg/Lに換算して表したものであり、総硬度=カルシウム硬度+マグネシウム硬度=永久硬度+一時硬度(沸かすと効用が無くなる形の化合物)の関係にある。また、人の健康に役立つミネラル成分とは、カルシウム,マグネシウム,ナトリウム,カリウム,鉄,亜鉛,リン等、人体に必要な微量鉱物質の事をさすが、長生き用として大事なのは、水の中のミネラル成分として圧倒的に多い量で含まれるカルシウム,マグネシウムの量である。
カルシウムは骨や歯を構成するのに欠かせないものであり、血液中に不足すると”怒りっぽい”人間になるとも言われている大事な成分である。ただカルシウムだけを摂る目的なら牛乳の方が余程良いものであるが、飲料水で大事なことはマグネシウムの存在である。昨今「ニガリ健康法」が盛んになってきたが、ニガリの主成分はマグネシウムである。このマグネシウムは「下剤」なのである。マグネシウムは水を集める性質(潮解性)をもち、これが健康サイクルの「快便」につながるのである。人間の体は”生まれ育った地の水質”によって変わる食事の内容と同様に”その地の水質に合う”ようになっているのが自然である。そこに硬度成分が多ければ多いほど良いのでなく、その民族によって「適量の程度」という量があるのである。軟水の国に生まれ育った日本人が大陸に旅行したとき、硬水に慣れていないと便通が良くなり過ぎ下痢と間違えることが良く知られているが、これも軟水の国で育った事によるものである。日本は軟水の国で、水道水の硬度量は30~80mg/L程度であり、ヨーロッパ、アメリカ、中国等の大陸は200~300~多い所では900mg/Lもある。
筆者:大学産業株式会社 前会長 曽布川 尚民