滅菌消毒装置と薬品と維持管理の役割 vol.2
今回は、「殺菌消毒の役割とは」と題して、記事を掲載していきます。
殺菌消毒の役割とは「細菌学的に100%安全な水」を「間断なく供給することにあります」。またその上で「おいしい水の供給には、均一で確実な殺菌ができる最小の残留塩素濃度プラス0.1mg/Lの維持」が大事なことです。
昨今のように、電磁ポンプ式滅菌消毒装置の使用や、貯水槽なしの給水方法では、水質の途中の汚染、残留塩素の均一化、接触時間、更に緊急断水時の水源としての機能から考えると若干心配な面もあります。送水量に比例して薬液は減って行っても、完全に消毒されていない部分が出てくることがあったり、接触時間不足で一般細菌が若干検出されたりすることがあります。これらのことを理解するために、消毒装置・消毒薬品の選び方によって維持管理の方法が大きく変わってくるので、次のことを良く理解しておく事が大事です。
「消毒装置・薬品・維持管理は三位一体の関係」にあり、三者の関係は、①「安い消毒装置」を選んだ場合は「良質(高価)な薬品の使用」又は「人間による常時監視の維持管理」を必要とし、②「しっかり計算された消毒装置」を選んだ場合は「安い薬品の使用」もでき、オプションで各種センサーを付加することにより「無人管理」の維持管理も出来るようになります。
要するに、この三者のバランスを一日の給水量、設備費、維持費、安全性の要求の確率を加味して決めることが大事になります。更に原水水質の変動がそれらにかかわって来る大きなファクターになります。まずは個々の特徴・欠点を知ることが大事です。
今後の掲載予定内容
・滅菌消毒装置を理解する
・次亜塩素酸ナトリウムを理解する
・次亜塩素酸ナトリウムの品質と特性を知る
・残留塩素濃度を均一にすること
・薬品の特性と装置
・安い薬品を使いこなすコツ
・維持管理の仕事を理解する
筆者:大学産業株式会社 前会長 曽布川 尚民