知っておきたい水の話 vol.4
今回は、「”おいしさは”幼少期の慣れによる」と題して、記事を掲載していきます。
“刷り込み現象”という言葉がある。お母さんの手作り料理がおいしく感じるのもそのためである。味など無いように感ずる”水のおいしさ”も、幼い時から慣れ親しんだ味に影響されるところが大きいといわれる。科学的に統計を取って調査した訳ではないが、世間での通説が結構当たることと、12年間「静岡県お茶と水研究会」で会員に”ベロ(舌)メーター”味覚試験をして来た結果の印象である。即ち、不味い水の所で育ってきた人にはそこの水が不味いという実感が少なく、水の良い所で育った人には、異郷の都会の水は、そこに生まれ育った住人より不味く感じるようである。また、農耕民族、狩猟民族、肉食中心、菜食中心、等 人種や生活行動により幼少時の生活環境が、水だけでなく、主食、副食、味付けにも、体が求めるものとして、その人の”おいしさ観”が刷り込まれて行くと言われている。それに植物アルカロイドや脂肪が加われば、おいしさを通り越して弱い習慣性として人の味覚を虜にする。
今後の掲載予定内容
「おいしい水」と「名水」は異なる
水をおいしくする条件
水をまずくする成分
筆者:大学産業株式会社 前会長 曽布川 尚民