蛇口から出る「水の色」について。その原因は?
水質のトラブルとして「水に色がつく」という現象について、6回に分けて解説していきます。
第1回目・・・「赤い水・茶色の水・黄色い水」
「赤い水」「茶色の水」「黄色い水」は濃度差と個人の感性・表現力によって異なるものが多く、殆どが”鉄”の酸化物によるものである。濃度、他の物質の共存によって色は異なる。正確には色というより、暫く放置すると沈殿するので濁りといった方が正確かもしれない。原因に「水源から入って来ている」場合と「配管及び機器から溶け出したもの」の二通りがある。鉄は地下水から出てきた瞬間や、配管から溶け出した時は鉄イオン(二価)の状態で無色透明(金気の味はする)であるが、空気に触れた瞬間から、また水中の溶存酸素により酸化が始まり(三価)の鉄となってゆき、色又は濁りとなって目に見えるようになってくる。地下水の場合は鉄とマンガンが共存している場合が多く、マンガンは酸化されて黒になるので、茶色又はチョコレート色になる。酸化されずにイオン状態で蛇口まで到達し、そこで茶汁に触れるとタンニンと結合して「紫色」に変化する。台所のシンクでよく見られるものである。完全に酸化されたものの場合はこの反応は起きない。
また、赤水が出ると言った現象でも、常時色がついた水が出る、数日旅行した場合に出る、朝出る、天候によって時々、など、まず現象の解析によって原因がかなり推測できるものである。
次回(2回目)・・・「青い水」について解説します。